カテゴリ:陶芸の技法ー釉薬( 12 )

籾殻灰

釉薬の原料は今は何でも電話1本、クリックひとつ?で手に入ります。

でも、原料の材質を確認できたり釉薬に使えるまでの過程によって
釉薬そのものの性質まで変わりうるので
手に入るものは出来るだけ自分の手で。

というわけで、知り合いの農家の方に
籾殻を分けていただき、
更に自宅は住宅地なので灰にする工程も田んぼをお借りして。

と、ここで画像がほしいところですが。

籾殻を軽トラ1杯田んぼに運び、
山積みにして、何箇所かに点火。

この点火が実はなかなか難しくって。

近くに散らばっていたわらくずに火をつければかんたんだと
言うことに気づいたのは終わる直前。

籾殻の山が大きければ大きいほど、
当然のように一山燃え尽きるまで、時間がかかります。
今回は2日かかりました。

本来はわら灰同様、薫炭にして炭素を残したほうが
反応性はいいはずなのですが
今までの経験上、ポットミルのない我が家では
薫炭を60目のふるいに通して釉薬原料にまで
進めることは不可能。
(わら灰はかんたんに崩れて細かくなってくれます)

なので、白く燃え尽きさせる。
これは実は薫炭を作るより簡単。
燃え尽きればいいのですから。

ちょうど3日目に雨が降り、消火、飛散防止、軽くあく抜きが行われ、
安心して45Lのゴミ袋に詰めて持ち帰れました。

この後、大きなバケツを4個並べて、
1個目のバケツにもらってきた灰と水を入れ、
しっかりかき混ぜた後、
2個目のバケツに25目の篩い通して移していきます。
3個目のバケツには50目。
最後のバケツには60目のふるいを通して、
最終的に沈殿させて素焼きの鉢に布敷いた上にあけて乾燥させます。

ふるいを通すときに少しだけおいておくと砂などは沈殿して
細かい浮遊物だけが水とともに次のバケツに移っていきます。

こうして、4個のバケツがすべて満タンになったら
今回はおしまい。

これまたしばらく置いておく(このしばらくが、具体的にどのくらいの時間かは
原料によって、かなり差があります)
と、ふるいを通った灰が沈殿して、上には茶色い灰汁が浮きます。
これを捨てて、また1番目のバケツに水を足して
攪拌して、篩いリレーで、4個のバケツが満タンになるまで繰り返します。

このようにして、長い日時をかけてあく抜きと精製を同時進行させることで
純度の高い、使いやすい灰が出来るのです。
買えば簡単ですが。
今まで使っていたもみ白釉はそのようにして作っていたのですが、
最近手抜きで市販の籾殻灰使って、調子がガラッと変わってしまったので
今回あわてて昔の作業に戻りました。

個人的には手間を喰うその作業、けっこう好きなのですが。
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by tyawanya-kobe | 2006-10-22 13:49 | 陶芸の技法ー釉薬

ゴス壷再掲載

先日掲載したゴスの壷、
焼きなおして写真取り直しました。

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さらにイッチン壷は

釉薬が溶けてイッチンが見えてきました。

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色は上の壷は相変わらず黒く見えますが、
下のイッチンの壷と同じような青さです。



因みにこの調合ですが


基本は白い土に透明釉掛けて、ゴスを筆塗り。

以前弟子入りしていた窯では石灰透明釉(3号釉)でしたが
今回は合成土灰と天草陶石主体の釉薬。

そしてゴスですが

(河井寛次郎の調合)

黄土    300
天草陶石 100
コバルト  3.5
鉄      5.0
マンガン  0


(堤窯の調合)

黄土    400
天草陶石 100
コバルト   3.5


(先輩の調合)

黄土    300     300     300
天草陶石 100     100
カオリン                  100
コバルト    4.5     5.0     4.5
鉄                       5.0
マンガン           10.0   10.0



この場合、黄土は一般に入手しやすい地元の赤土、黄土になるので
かなり成分にむらが出ます。

僕の調合は


中国黄土  生  100
      素焼き 100
三石ロー石     50
天草陶石      50
酸化コバルト    10.0
二酸化マンガン   20.0


これを釉薬の上から筆で二重塗りし、

少し乾くと透明釉を薄めた物を筆塗りして

再びゴスを二重塗りして、また釉薬を筆塗りして焼きます。


河井寛次郎の一族で、信楽で活動されておられる方は
筆塗りではなく、釉薬状にして掛けていると伺いました。


 
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by Tyawanya-Kobe | 2006-05-30 15:33 | 陶芸の技法ー釉薬

織部釉 テスト

灰立ての織部釉のテストです。

一つ目は
釜戸長石60
土灰   40
酸化銅  5

の釉薬。

テストピースの左端、薄く掛けると浅い色で
濃く掛けると泡を吹く厄介な調合です。

この釉薬を液体のまま200g、または100g測って
外割で5gずついろんな物を足していきます。


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素地は信楽のカネ利 特練B
1245度の還元焼成です。

福島長石と天草陶石12.5%以上添加したものは
よく溶けてくれているようで、多少透明感が出てきました。

赤みがでるのは基礎釉に対する銅の比率が混ぜるにしたがって
下がるので還元焼成では赤く発色するから。
どうも多少追加した方が無難かも。

沈殿しにくさを考えると天草陶石追加した方が
扱いよさそう。

ワラ灰追加した物は珪酸分過多で乳濁。
暗い発色の銅青磁になりました。

カオリン20%添加したものは泡が減って
マット調に。

これも面白そう。




次は
松灰   50
福島長石50
天草陶石10
酸化銅   5

の調合の織部釉。

この釉薬を作ったきっかけは
釜戸長石よりも福島長石の方がすっきりきれいに上がること。
土灰よりも松灰のほうが焼きあがった時にきれいという噂を耳にしたこと。


でテストピースの右端のようにカルシウムの結晶が析出して
緑黒いマットな釉薬になってしまったのを何とかしようと。


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これはなんともいえませんネエ。

カオリン20%添加したものが赤緑黒い不思議なマット釉として
使えそうかな?と思えるくらい。


何とか透明感があって深みのある織部釉にならないかなあ。

次はフリットやら炭酸リチウムやら添加して
溶ける実験してみようかな?
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by Tyawanya-Kobe | 2006-03-22 17:00 | 陶芸の技法ー釉薬

釉薬掛けー吹き付け


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今日の午後の教室で。
吹き付けで釉薬掛け。
霧吹きを口で吹くと
気が遠くなるので
コンプレッサーが活躍。
あまりパワーのない機械なので
空気が溜まるのを待って吹きます。
かなり時間がかかりますが、
暖かくなり、外仕事にはいい日よりでした。
その間に僕は子供らの布団を干していたのをしまいました。
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by Tyawanya-Kobe | 2006-03-07 15:49 | 陶芸の技法ー釉薬

素焼き化粧テスト

素焼き化粧のテストです。

土は信楽のカネ利赤1号

酸化、還元、共に焼成温度1250度。

元になるのがテストピースの2-0

ロー石  45
天草陶石 40
蛙目粘土 15

という調合で、
聞くところによると東京芸大の調合比らしい。

この調合で剥離が起きるのを抑えるテスト。

方向としては、化粧を施した時点で
素地に密着させるために粘土分を増やす、
施釉、焼成した時点で素地からの収縮度の違いから来る剥離を抑えるために
化粧を融化させる。

この2点を目指してのテスト。

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釉薬は日本陶料の3号石灰透明釉と

合成土灰5:天草陶石5:カオリン1の御深井釉


結果としては薄掛けすればみんな剥離しにくい。
ということ。

天草陶石増やした物は剥離が減少しました。
ガイロメは予想通り、増えると粘りが出すぎて
はがれやすい。

期待したのは
石灰透明釉よりも融化しやすい御深井釉で剥離しやすい化粧を
溶かし込んで押さえ込めないか、

カオリンを加えることによって荒れさせて
生化粧に近づけないか、

この2点でしたが





はっきり言って期待はずれ。

石灰透明釉の方がきれいにはがれず焼きあがりました。
厚化粧の部分のひびも押さえ込んでくれています。



最後にこれらのテストを全部混合した化粧

調合比としては

ロー石   36
天草陶石 38
蛙目粘土 18
カオリン  4
平津長石 4

という調合の化粧で

五斗蒔土主体の赤土に化粧した物を
酸化焼成。

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ここでも矢張り石灰透明釉の方が落ち着いたいい感じに上がってくれました。


右側が石灰透明釉、左が御深井釉で、
上が重ねがけの厚化粧。
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by Tyawanya-Kobe | 2006-02-17 22:45 | 陶芸の技法ー釉薬

釉薬掛け

先日お伝えした6年生の卒業制作のランプ
木曜日に窯に持ち込まれ、
素焼きが本日出てきて
窯から出して塵を取って
釉薬掛けしました。

釉薬を掛けようとしたら残りが少なくて
あわてて作り足したり
混ぜようとしたら底に固まっていて
別のバケツに移して掘り起こして融かしたり、
と回り道が多くて腰が重い。
痛いです。

画像はありません。

7種類の釉薬掛けて
酸化と還元の窯に分けて
全部で14種類の色に分かれる予定。

疲れた。


窯から出てきたら画像アップします。
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by Tyawanya-Kobe | 2006-02-12 18:04 | 陶芸の技法ー釉薬

志野画像テスト

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画像テスト

志野
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by Tyawanya-Kobe | 2005-11-13 01:25 | 陶芸の技法ー釉薬

辰砂の酸化

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柊さんのリクエストにお応えして。
ちょっと色が分かりにくいですね。
パソコンで見て納得出来なかったら
きちんとデジカメで
撮り直します。

それにしても柊さんは
緑好きですね。

現在のところ織部の発色は
納得の行く物はなく、
トルコ青釉か辰砂の酸化の方が
きれいな緑と言うのは
化学大好き「恋する」茶碗屋としては
股間、もとい、沽券に拘る問題です。
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by Tyawanya-Kobe | 2005-11-12 19:48 | 陶芸の技法ー釉薬

辰砂丼

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先日書家の美鈴さんが書いた丼と同じやり方で
商品の食器を作りました。
字がかっこよく書けないので
模様にして。

辰砂の上がりは
還元を最後までしつこく掛けたので
真っ赤に上がりました。
でも窯の癖で、
詰めた場所によっては
部分的に酸化。
きれいな緑に。
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by Tyawanya-Kobe | 2005-11-12 12:08 | 陶芸の技法ー釉薬

満貫釉

以前作った花器ですが、
tenstoneさんの[♯65] 二酸化マンガンにトラックバック。

まず全体像。
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上から見たら
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先程写真を間違えていました。

ろくろで挽いたのち、押し込んだり引っ張り出したり、叩いたりして変形。
シャープな感じを出したかったので、釉薬も金属っぽく二酸化満貫単身を
コンプレッサーで吹きつけ。

濃く掛かったところはマンガンの結晶が出て
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ちょっと濃いとすぐ流れて条痕に。

素地は信楽土主体の再生土なので、薄くなると

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つまらない土の雰囲気が見えてしまいます。

細かい赤土で作るとまた違ってくるのでしょうね。
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by Tyawanya-Kobe | 2005-09-08 20:01 | 陶芸の技法ー釉薬